google-site-verification: google6c1142e83923ce90.html

香水とか香りのブログ「ギンコの香リズム」

ただの匂いフェチが拙い文章で語る香水とか香りの色々

コンバイニングで自分だけの香りを纏えるジョーマローンロンドン

コンバイニング

 

思えば私がこの言葉を最初に知ったのはジョーマローンからだった気がします。

 

ジョーマローンは1994年に誕生したブランドで、シンプルながら質のいい香りと、その香りたちを個人のスタイルによってレイヤード(重ねづけ)し、オリジナルの香りを楽しめることで、セレブを始め世界中の人々を虜にした英国代表のフレグランスブランドです。

 

種類も豊富にありますが、どの香りでもコンバイニングできるようになってるそう。

もちろんボディクレームでもOK。

 

そんなジョーマローンから現在ハマっているコロンの組み合わせが、ネクタリンブロッサム&ハニーとアールグレイ&キューカンバーです!

 

f:id:ginco_channel:20190517201036j:image

 

ネクタリンブロッサム&ハニーのテイスティングノートは、

トップノート:カシス

ハートノート:アカシアハニー

ベースノート:ピーチ

 

アールグレイ&キューカンバーのテイスティングノートは、

トップノート:ベルガモット

ハートノート:キューカンバー

ベースノート:ビーワックス

 

それぞれ単体でももちろん素敵なのですが、2つをコンバイニングすることによって、深みが増し、お互いの良さを引き立てます。

 

ネクタリンブロッサム&ハニーは吹き付けた直後は青みのある桃の瑞々しい香りがして、徐々に蜜のようなハニーの甘さが出てくるのですが、ジョーマローンらしく重苦しくなく透明感があります。

 

一方アールグレイ&キューカンバーはトップがパッと明るくスパイシーなベルガモット。その後ろでキューカンバーの水っぽい瓜感が存在しています。トップはこれだけフレッシュなのに、時間が経つとビーワックスの甘さが主張します。

この香りは無くなると困るというファンが多い印象。

 

この2つのレイヤードですが、私はネクタリンを付けた後にアールグレイを重ねています。

 

ネクタリンの桃感はしっかりありつつ、アールグレイのティーノートが重なり、まるでピーチティーのような香りに。

どちらもラストになるにつれ甘さが出てくるので、だんだんと蜂蜜たっぷりな紅茶へ変化します。

 

しかし流石ジョーマローン。

 

ネクタリンもアールグレイもラストは甘いのに、

2つのコロンの甘さが重なり合っても重苦しくない!

 

暑くなってきたのに爽やかさだけでなく甘さも欲しい、なんて時だったので見事にハマりました。

 

今日何つけようかと悩んだ時も、気負わず纏えてついつい手が伸びる香水に。

 

ジョーマローンで好きな組み合わせを見つけることが、1つの楽しみになりそうです。

 

そしてジョーマローンの香りはシンプルでナチュラルな香調が多いですから、香り好きの方は、どんどんオリジナルのコンバイニングを見つけたり、香水に馴染みがない方も、香りを楽しさを知る第一歩としてもとってもオススメです。

 

ネクタリンブロッサム&ハニー

30ml  8,000円(本体価格)

100ml  16,000円(本体価格)

 

アールグレイ&キューカンバー

30ml  8,000円(本体価格)

100ml  16,000円(本体価格)

 

 

美しい薔薇には棘がある、だからこそ惹かれるラフィーユドゥベルラン

薔薇の香水は数あれど、その中でも衝撃的な存在感を放つものがあります。

 

その香水こそセルジュ・ルタンスのラフィーユドゥベルラン(ベルリンの少女)です。

 

Serge Lutens La fille de Berlin

f:id:ginco_channel:20190509190319j:image

 

セルジュルタンスの香水のボトルはシンプルながらも洗練されたデザインに統一されていて、液体のカラーと香りによってそのストーリーが込められています。

 

調香したのはシャネルでも活躍しているクリストファー・シェルドレイク。

 

まずラフィーユドゥベルランの香り、一言でいうとめちゃくちゃカッコイイ。

最初にこの真っ赤に染まった血のような液体から香るのは、スパイシーな薔薇とペッパーの刺激的な香り。

薔薇といってもフレッシュな摘みたての可愛い薔薇というより、厚みと存在感のある芯の通った薔薇。

 

時間が経つとスパイシーさはトップよりも落ち着き、薔薇と甘酸っぱいベリーが混ざり合うと同時に、密かに続くスパイシーさが金属的な冷たい印象を持たせなんとも上品に香る。

 

最後の方になると、石鹸のようなフンワリとした残り香が心地良い。

 

ラフィーユドゥベルランは激しい情熱を感じさせ、ひとたび纏うと美しい記憶として脳裏に焼き付けるような魅力的な香水。

 

個性はあるのに煩くない香り。

 

人物像は胸に熱い想いを秘めているが、外見は落ち着いているような印象。

 

薔薇=女性というイメージが多いと思いますが、このラフィーユドゥベルランは男女問わずお使い頂けると思います!

 

セルジュルタンスの香水はどこか詩的というか、文学的というか、一つ一つが本のように物語を紡いで表現されているようだと感じます。

 

だからこそセルジュルタンスの世界観に惹き込まれるし、魅了されるのでしょうね。

 

ラフィーユドゥベルラン オードパルファム

50ml  13,000円(税抜)

100ml  20,000円(税抜)

 

 

 

透明感溢れる風のような香り、クリスタルオーヴェルト

草原のようなクリーンな緑と弾ける爽快感を感じられる香水といえば、これが最初に思い浮かぶといっても過言ではございません。

 

それはシャネル[CHANEL]のクリスタルオーヴェルトです。

 

f:id:ginco_channel:20190504041404j:image

 

長四角のボトルがシンプルで良いですね。

中の液体の色が薄いグリーンで、クリスタルオーヴェルトの香りにぴったり。

 

調香師はシャネルの香水ではお馴染みのジャック・ポルジュ。

シャネルでは他にチャンスやエゴイストなどを手掛けています。

 

香調はフローラル グリーン フレッシュ

 

トップノート:レモン、ベルガモット

ミドルノート:マグノリア、ジャスミン、ネロリ

ラストノート:アブストラクトホワイトフラワー

 

トップは弾けるシトラスの軽やかさで始まり、それはまるでレモンの果汁を絞ったみたいなフレッシュ感。

オリジナルのクリスタルはグリーンの青みや渋みを強く感じますが、こちらは同じグリーン系でもフレッシュさが全面に出ていて重さがない。

 

次第にマグノリアやジャスミンの上品で繊細なノートが優雅に香る。

しかしフローラルの中にもしっかりシトラスやグリーンが入っていて透明感が溢れ出ている。

それは時間が経っても変わらず、白シャツのようなクリーンな印象が最後まで続きます。

 

この香りは背筋がしゃんと伸び、それでいて気負わず使えて、人を選ばす纏える香水の一つだといえます。

香水初心者にも勿論おすすめですし、香水玄人の疲れた嗅覚を癒してくれそうです。

そういった意味でバイレードのインフロレッセンスと似ているなと感じます。

甘くないフローラルと透明感という点も、この二つの香水の共通点ですね。

 

この香水をつけてる時は良い香りがすると言われることも多く、この香りが苦手な方は少ないのではないかなと思います。

これから気温が上がってきて汗も出てくる季節になりますが、汗と混じっても嫌な香りになりにくいのが使ってて嬉しいポイントです。

 

受け入れられやすい香りというのは使い勝手が良く、日本人の嗜好にもぴったりですね。

 

ぜひこの風のように心地よくクリーンな香りを纏ってリフレッシュしてみて下さい。

 

クリスタル オーヴェルト オードゥ トワレット コンサントレ(ヴァポリザター)

 

50ml  8,800円(本体価格)

100ml  12,500円(本体価格)

 

陶酔するようなジンのカクテル香水、ジュニパースリング

お酒から着想を得た香水っていくつかありますが、あのお酒特有の香りって不思議と惹きつけられるものがありますよね。

 

今回はその中でもジンのカクテルをイメージした香水、ペンハリガンのジュニパースリングについて。

 

ジュニパースリング(JUNIPER SLING)

f:id:ginco_channel:20190502175051j:image

 

ボトルはペンハリガンの伝統的な瓶にシルバーのリボン、シルバーのラベルとクールなデザイン。

ジュニパースリングはペンハリガンでも数少ない布ではないリボンで、キリッとしたジンの香りのイメージに合わせてあるのでしょうか。

 

調香師は巨匠オリビエ・クリスプ。

オリビエ・クリスプはティエリーミュグレーのエンジェルなどのグルマン系から、ドルチェ&ガッバーナのライトブルーや、ケンゾーのローパケンゾーまでジャンルに囚われない幅広い香調を手がけています。

同じペンハリガンだと、ブランド初のグルマン系と言われる、エキノックスブルームも調香してますね。

 

ジュニパースリングはロンドンの黄金期1920年代へのオマージュとして、当時を象徴するお酒、ドライ・ジンからインスピレーションを受けたフレグランス。

 

香調はスパイシー フルーティー ウッディ

 

ノート:シナモン、オレンジブランデー、アンゼリカ、ジュニパーベリー、カルダモン、レザー、ブラックペッパー、イリスウッド、ブラウンシュガー、ブラックチェリー、ベチバー、アンブロックス

 

トップからキリリとしたジュニパーベリーやアンゼリカ、シナモンがキンキンに冷えたお酒を口につけた時の瞬間を感じさせ、カルダモンやブラックペッパーのスパイシーさが程よいキレを作り上げる。

 

レザーは強く主張せず、イリスウッドとともにジュニパーベリーたちを纏め上げ、肌馴染みを良くする。

 

時間が経つとブラウンシュガーが甘さを出してきて、ムスクのようなアンブロックスが、ジュニパーベリーたちを包み込みセンシュアル感をプラス。

 

媚びない気品や知性のようなものがあり、女性らしいとか男性らしいとかではなく、この香りを纏った人そのものを魅力的に見せてくれる香水。

 

そしてどこかアロマティックで落ち着くような香りでもありますね。

 

わりと季節問わずに使えて、高温多湿な日本でも、スッキリとしていて付けやすい香水だと思います。

 

お酒を飲まれる方もそうでない方も、この香水の魅力にクラクラと酔いしれてみてはいかがでしょうか。

 

ジュニパースリング オードトワレ

50ml  15,500円(本体価格)

100ml  21,500円(本体価格)

 

情景が目に浮かぶ、水彩画のような香水アプレロンデ

雨上がりって、特有の香りがしますよね。

濡れた土や植物から立ち上るホワホワとした懐かしい香り。

太陽が照り出して、葉に落ちた水滴が光で反射し、瑞々しい花々たちがキラキラと揺れる。

そんな一連の景色が匂いとなって辺りを漂います。

 

そんな雨上がりの情景すら香水で表現出来てしまったのがゲランのアプレロンデです。

 

Après l'Ondée(Guerlain)

f:id:ginco_channel:20190429203757j:image

 

この伝統的な美しいボトルにはゲランを象徴する69匹の蜂があしらわれています。

 

調香師はジャック・ゲラン。

ジャック・ゲランはゲラン一族の一人で、他にもシャリマー、ミツコ、ルールブルー、夜間飛行など数々の名香を手がけた天才。

 

アプレロンデが誕生したのはなんと1906年。

100年以上前に出来た香水であるにも関わらず、未だ衰えることなく世代を超えて幅広い年代の方に愛されている香水で、現在は店舗限定で販売されている特別な香水です。

 

香調はパウダリー フローラル

 

一吹きすると、アニスシードでしょうか、フレッシュで少し漢方っぽさのあるスパイシーな香りが出てきて、濡れた土や草を思い起こさせる。

 

するとすぐにアイリスやバイオレットのパウダリーで甘く優しい香りが出てきて、清々しい風と木漏れ日に揺れる雨の雫を乗せた花々の物語を作り出す。

 

アプレロンデの甘さは濃厚な甘さではなく和菓子のような柔らかい甘さ。

雨上がりのあの独特なホワンとした香りが脳裏に浮かび、湿度すらリアルに感じさせるよう。

 

これは輪郭をハッキリと描く美ではなく、まるで水彩画の水色や薄紫で描いたような、全体的に淡く、儚く、透明感のある美しさ。

 

アプレロンデを纏っていると、にわか雨の後の庭園を歩いているみたい。

こんなにも情景が目に浮かぶような香水が今まであっただろうか。

 

香り自体は強くなく、ノートもガラッと変化することもないので、この瞬間を切り取った香りが優しく続く。

 

雨上がりの情景を表現した香水だけあって、湿気が多い日本でも使いやすい香りではないかと思います。

 

アプレロンデはまさに絵画のような芸術…!ジャック・ゲランという天才がなせる技。

そんな香水をこの現代に生まれていても、時を経て纏えるというのはなんて幸せなことなんだと感じます。

 

今までも、そしてこれからもずっと時代を超えて愛される香水であって欲しいです。

 

アプレロンデ オーデトワレ

100ml  14,600円