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香水とか香りのブログ「ギンコの香リズム」

ただの匂いフェチが拙い文章で語る香水とか香りの色々

情景が目に浮かぶ、水彩画のような香水アプレロンデ

雨上がりって、特有の香りがしますよね。

濡れた土や植物から立ち上るホワホワとした懐かしい香り。

太陽が照り出して、葉に落ちた水滴が光で反射し、瑞々しい花々たちがキラキラと揺れる。

そんな一連の景色が匂いとなって辺りを漂います。

 

そんな雨上がりの情景すら香水で表現出来てしまったのがゲランのアプレロンデです。

 

Après l'Ondée(Guerlain)

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この伝統的な美しいボトルにはゲランを象徴する69匹の蜂があしらわれています。

 

調香師はジャック・ゲラン。

ジャック・ゲランはゲラン一族の一人で、他にもシャリマー、ミツコ、ルールブルー、夜間飛行など数々の名香を手がけた天才。

 

アプレロンデが誕生したのはなんと1906年。

100年以上前に出来た香水であるにも関わらず、未だ衰えることなく世代を超えて幅広い年代の方に愛されている香水で、現在は店舗限定で販売されている特別な香水です。

 

香調はパウダリー フローラル

 

一吹きすると、アニスシードでしょうか、フレッシュで少し漢方っぽさのあるスパイシーな香りが出てきて、濡れた土や草を思い起こさせる。

 

するとすぐにアイリスやバイオレットのパウダリーで甘く優しい香りが出てきて、清々しい風と木漏れ日に揺れる雨の雫を乗せた花々の物語を作り出す。

 

アプレロンデの甘さは濃厚な甘さではなく和菓子のような柔らかい甘さ。

雨上がりのあの独特なホワンとした香りが脳裏に浮かび、湿度すらリアルに感じさせるよう。

 

これは輪郭をハッキリと描く美ではなく、まるで水彩画の水色や薄紫で描いたような、全体的に淡く、儚く、透明感のある美しさ。

 

アプレロンデを纏っていると、にわか雨の後の庭園を歩いているみたい。

こんなにも情景が目に浮かぶような香水が今まであっただろうか。

 

香り自体は強くなく、ノートもガラッと変化することもないので、この瞬間を切り取った香りが優しく続く。

 

雨上がりの情景を表現した香水だけあって、湿気が多い日本でも使いやすい香りではないかと思います。

 

アプレロンデはまさに絵画のような芸術…!ジャック・ゲランという天才がなせる技。

そんな香水をこの現代に生まれていても、時を経て纏えるというのはなんて幸せなことなんだと感じます。

 

今までも、そしてこれからもずっと時代を超えて愛される香水であって欲しいです。

 

アプレロンデ オーデトワレ

100ml  14,600円